誰にとっても「良い」HRV の数値というものはありません。HRV は年齢に大きく左右され、それ以上にあなた自身のベースラインに左右されます。おおまかな目安として、夜間の平均 HRV(RMSSD で測定)は 20 代で約 60〜100 ミリ秒、30 代で 45〜75 ミリ秒、40 代で 35〜60 ミリ秒、50 代で 25〜50 ミリ秒、60 歳以降で 20〜40 ミリ秒です。HRV は加齢とともに自然に下がり、デバイス、体力、睡眠、ストレスによって大きく変わります。もっとも役に立つのは、集団の中での自分の位置ではなく、自分の HRV が個人の平常値に対して上がっているか下がっているかです。
年齢別の HRV の目安
これらの範囲はあえて広く取っています。HRV は個人差が非常に大きく、同じ年齢の健康な 2 人でも 40 ミリ秒以上違うことは珍しくありません。成績表ではなく、目安として使ってください。
| 年齢 | 夜間 HRV の目安(RMSSD) |
|---|---|
| 20〜29 | 約 60〜100 ミリ秒 |
| 30〜39 | 約 45〜75 ミリ秒 |
| 40〜49 | 約 35〜60 ミリ秒 |
| 50〜59 | 約 25〜50 ミリ秒 |
| 60 以上 | 約 20〜40 ミリ秒 |
あなたの数値が自分の年齢帯の範囲内か近くにあれば、それは正常です。下回っていても、それだけではほとんど意味はありません。遺伝、デバイス、あるいは忙しい 1 週間のせいかもしれません。大切なのは、時間とともにどちらへ動いているかです。
HRV が加齢で下がる理由
HRV は自律神経系の柔軟性、つまり「闘争・逃走」と「休息・消化」をどれだけ機敏に切り替えられるかを反映しています。年齢を重ねると、迷走神経が心臓に与える影響が弱まり、心血管系が硬くなるため、この柔軟性は少しずつ低下します。これは正常で予想どおりのことです。HRV 35 ミリ秒の 55 歳が、70 ミリ秒の 25 歳より「劣っている」わけではありません。同じ曲線の違う位置にいるだけです。また、この低下は避けられないものでもありません。体力、睡眠、そして継続的なゆっくりした呼吸の練習は、低下を緩やかにし、一時的な落ち込みを取り戻すことさえできます。
平均値よりベースラインが大切な理由
年齢別の表の根本的な問題はここにあります。同じ年齢の中でのばらつきは、年齢間の差よりもはるかに大きいのです。そのため、集団の平均値は自分の健康を判断するのにほとんど役に立ちません。役に立つのは、あなたの個人ベースライン(ここ数週間の普段の HRV)と、今日の値との比較です。普段の 60 ミリ秒から 40 ミリ秒に下がったなら、それは回復状態についての本物の、意味のあるサインです。一方、40 という数字だけでは何もわかりません。別の人にとってはまったく正常な値かもしれません。HRV は「自分と他人」ではなく「自分と自分」を比べる指標であり、それこそがあなたのベースラインが最初に気づく理由です。
HRV を下げるもの
HRV は日々、回復の状態に応じて動きます。下げる原因としてよくあるもの:
- •アルコール:1 杯でも夜間の HRV ははっきり下がります。
- •睡眠不足や質の悪い睡眠:低い値へのいちばんの近道です。
- •ストレスと病気:どちらも交感神経をオンにしたままにします。
- •オーバートレーニング:回復なしの激しい運動は HRV を抑え込みます。
- •遅い食事とカフェイン:どちらも夜間の心拍数を上げ、HRV を下げることがあります。
1 回だけ低いのは、たいてい眠りの悪い夜が 1 回あっただけです。ベースラインに対して低い値が続くことこそ、注意すべきサインです。
自分の HRV とその傾向を見る
HRV は自分のベースラインと比べて初めて意味を持つため、年齢別の平均値の表では本当に知りたいことはわかりません。ONDA は Apple Watch の履歴から安静時心拍数、HRV、呼吸を読み取り、あなた個人のコリドー(平常の範囲)を作って、今日がそこから外れたときに知らせます。「45 ミリ秒は良いの?」と悩む代わりに、あなたの HRV が保たれているのか、上がっているのか、下がっているのか、そして何がそれを動かしているのかが見えます。それこそが回復状態を本当に映す数字です。
